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zoom RSS 軍志(ぐんし) 第27話 継承者(その15)

<<   作成日時 : 2018/05/12 15:59   >>

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浅井長政と【尾張・美濃・近江盟約】の交渉のため
小谷城へやってきた竹中半兵衛と黒田官兵衛。
官兵衛が半兵衛との馴れ初めを語ったあと、
半兵衛は、織田信長の父である信秀と”守役”だった
平手政秀の死の衝撃で放心状態になっているお市に
官兵衛を目通りを頼んだ。
だが今のお市は、織田家から預かっている大事な”人質”。
理由もなくそうやすやすと目通りをさせるわけには
いかなかった。
そこで官兵衛が長政に頭を下げてこう願い出た。
官兵衛「この不肖官兵衛からもお頼み申します。
     私にとって”姉上”のようなお方なのです。
     そしてこの官兵衛に生きるためのまさに灯を指し示して
     くれました。
     その恩義に報いるため今度は私が励ましたいのです。」
すると長政は、こう尋ねた。
長政「官兵衛殿、お市の方とはどのような間柄なのだ?」
長政は、お市が信長が”人質”のために用意した織田家の養女
であることをまだ知らない。
そして嘗てお市が”お蝶”と呼ばれていた頃、播磨の呉服屋で奉公人
をしており、黒田家に出入りして官兵衛の姉だったおたつと”親友”
だった事も。
それを信長の裁可なしに明かすことなんて勿論できなかった。
だが官兵衛は、あらかじめ完璧な筋書きを用意していた。
官兵衛「私の亡くなった姉おたつは、書状をよく交わす
     仲でございました。ですから私のことを姉から知ると
     興味を持たれ紹介されました。
     それから私とも書状を取り交わすようになりました。
     また、その縁もあって【多国間無関税協定】の使者として
     尾張を訪れたときにお会いしていろいろ話を伺いました。」
これは、美濃領主斎藤道三の娘であるお濃が安芸の毛利家当主
毛利隆元の奥方と書状のやり取りをしていたと半兵衛から以前
聞いていたのでそのいきさつを二人に置き換えたのである。
無論、おたつとお市は書状のやり取りをしているので嘘ではない。
ただし、播磨と姫路であるが。
長政「なるほどのう。」
官兵衛「私は、その時に”灯”を我が心に灯してくれたのです。」
長政「”灯”だと?」
官兵衛「はい。それは、・・・。」
官兵衛がそれを語ろうとすると半兵衛が制した。
半兵衛「待て、官兵衛。
     それを話したらお市の方と対面する前に日が暮れる。」
長政「何じゃと?」
官兵衛は、半兵衛が何故制したかは、半兵衛の目を見てすぐ
にわかった。
官兵衛「確かに参謀殿(=半兵衛)のおっしゃる通りですね。
     話し出すと長くなる。」
すると半兵衛は、長政に迫った。
半兵衛「長政、というわけで官兵衛にお市の目通りを許してよかろう?
     今の話を含めて先ほど言った事情が少々異なるの意味も
     わかる。」
この話を寸止めされた長政は、興味を誘い飲まざるえなかった。
長政「そういう事であればよかろう。会うがよい。」
官兵衛「はい、ありがたきご配慮。感謝致します。」
半兵衛「すまんな、長政。」
長政「これも半兵衛との腐れ縁の仲だ。
    その親友の頼みとあれば聞かざるえまい。」
半兵衛「かっこうをつけずにお市の方を元気付ける方策がないから
     頼むと正直に言えばよいものを。」
長政「何か言ったか、半兵衛。」
半兵衛「いや、単なる独り言だ。気にするな。」
これには官兵衛も思わず噴き出した。
こうして官兵衛とお市の対面が叶った。

お市の部屋に着くとそこには、魂に抜け殻のごとき状態のお市の姿が
あった。
それを見た官兵衛は、後ろに控える長政にある事を頼んだ。
官兵衛「長政様、お人払いを願います。」
長政「ああ、よかろう。皆、席をはずせ。」
するとまずお市の侍女2人が席を立った。
侍女「はっ。」
そして後ろに控えていたお市の”守役”の石田佐吉が官兵衛に尋ねた。
佐吉「”守役”の私も?」
官兵衛「無論だ。」
すると佐吉の隣にいた佐吉の与力の大谷吉継が佐吉の肩をポンと
叩いてこう言った。
吉継「そんな事は、聞かなくてもわかっておろう。行くぞ。」
佐吉「では、お市様の事をよいなに。」
官兵衛「ああ。」
佐吉たちが出ていくと最後に長政の隣にいた半兵衛が無言で立ち上がり、
長政にこう耳打ちしてその場をち去ろうとした。
半兵衛「長政、私が側にいなくてこの二人の話の筋書きを理解できるのか?」
すると突然、長政の半兵衛の袖下をつかんで止めた。
長政「待て。半兵衛は、ここに残れ!」
半兵衛「はっ?」
長政「だってそうであろう。今のお前は、美濃の領主土岐頼忠だ。
   つまり官兵衛の主君(あるじ)ではないか。
   まさか主君にその場を去れなんて言わぬよな、官兵衛。」
官兵衛「はっ、無論そのような無礼なことは申しません。」
こうして長政と半兵衛の二人が見守る中、官兵衛がお市に語り始めた。

〜続く〜

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