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zoom RSS 軍志(ぐんし) 第27話 親心【その8】

<<   作成日時 : 2017/03/13 00:10   >>

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千利休と蜂須賀小六から織田家仕官の裏話を聞いた
黒田官兵衛。
すると利休がある裏話をした。
利休「では裏話をもう一つ致しましょう。」
官兵衛「はい。」
利休は、小六にある問いを投げかけた。
利休「小六、官兵衛様が仕える事が叶う主君の名を上げてみよ。
    但し、目薬屋の倅の頃の名を成していない時だ。」
小六「えっ?まずはお屋形様(=斎藤道三)だろ。
    あとモノ好きの(織田)信長と安芸の毛利元就様と
    甲斐の武田信玄ぐらいかなあ・・・。」
利休「いや、官兵衛様が信玄公に仕える事は無理だろう。」
小六「何だろ?だってどこの馬の骨ともわからん山本勘助を
    2万五千貫という破格の待遇で迎えてるではないか?」
利休「実は、その山本勘助は、ちょっとした名家の出の者だ。」
官兵衛「名家の出の者とは、お師匠様(=竹中半兵衛)と同じような
     大名家の倅とか。」
小六「駿河の今川義元の隠し子とか。」
利休「おしいなあ、小六。」
官兵衛「おしい?まさか今川家の”軍師”大原雪斎の倅・・・。」
利休「その通りです。」
これを知った官兵衛と小六は目を丸くして驚くのだった。
利休「信玄公は、2万5千貫で今川家から引き抜いたのです。
   ちなみに2万5千貫は本人には支払われていない。
   あれは武田家が今川家に払ったいわば”移籍料”だ。」
”移籍料”とは、つまり今のサッカーで行われている”移籍金”に
当たるものである。
小六「なるほど。”移籍料”ねえ。」
官兵衛「そうだとすると木下(藤吉郎)殿の5万貫は、私に支払われる
     ものだから破格の待遇なのかあ。
     ところ織田家に仕官するのだから払ってくれるのかのう?」
利休「官兵衛様。そんな和議の条件は、どこにも書いてありませんよ。」
官兵衛「言われてみれば確かに。」
官兵衛がそう言うと皆で笑い飛ばした。

ここからの話はあくまである軍師の主観である。
ちょうどのその寄り合いの頃、ここ甲斐の隠れ家としてる場所でも寄り合いが
開かれていた。
甲斐武田信玄の軍師である山本勘助と駿河今川家の軍師大原雪斎の父子である。
雪斎「先にやってるぞ、勘助。」
勘助「あいかわらず酒を口に付けるのが早いのう。親父殿は(=雪斎)。」
すると勘助は、ムスッとふくれ面をしてすわり酒を喰らった。
雪斎「どうした、勘助。甲斐のお屋形様(=信玄)に怒られたか?」
勘助「ああ、そうじゃ。しかも突然、理由もなくな。」
雪斎「そんなはずあるまい。お前が何かやらかしたのだろう。」
勘助「そういえば勝頼様からも同じ事言われたのう。」

勝頼(回想)「やらかしてくれたのう、勘助!」

勘助「ワシが何をやったというのだ?」
雪斎「勘助、ちょっと怒られた時の事を話してみよ。」
勘助「ああ、【墨俣砦の攻防戦】の礼金で買った最新の鉄砲1千丁を持って
   行ったのだ。
   そしたら勝頼様が突然入って来て、お屋形様に小耳に何かを吹き込んだのだ。
   そして去り際にあの言葉を投げかけた。
   そしたらお屋形様が怒り出してワシのほおを扇子で叩いてこう申したのだ。」
   
信玄(回想)「勘助、戦に勝てば何でもよい
       というわけじゃないぞ!
       愚か者めが〜!」


それを聞いた雪斎は、笑ってこう答えた。
雪斎「はは。さすが甲斐のお屋形様だ。
   道理がわかっておられる。」
勘助「どういう意味じゃ?」
雪斎「その前に勝頼様が何か報告したのだろ。
   おそらく黒田官兵衛の身柄と引き換えに織田家と斎藤家が和議を
   結んだという報告だ。」
勘助「何だと?」
雪斎「お前は、甲斐のお屋形様に惚れこんで武田家に仕えた。
   もしも黒田官兵衛もお前と同じように信長に惚れこんでいたら
   如何致す?
   【墨俣砦の攻防戦】でわざと負けるのではないか。」
勘助「わざと負ける・・・。」
雪斎「だからお前に負けても官兵衛は、平然としていた。
   おかげで憧れの信長に仕える事が叶ったのだからな。」
勘助「なっ・・・。」
雪斎「問題はそうなるように仕組んだのが誰であろう”天下無双”の
   斎藤道三だったという事だ。”賊”である自分を討たせて信長
   の名を諸国に名を成さしめた。そして官兵衛を譲り渡す。
   そう、お前はわざわざ信長の手柄に手を貸しただけだったと
   いうわけだ。」
勘助「ではワシは、”マムシ”(=道三)に踊らされただけだったと・・・。」
雪斎「ああ、そうだ。
   お前は、”戦”には勝ったが”勝負”に負けたのだ。」
勘助「”勝負”に負けた・・・。」
雪斎「これでお前が愚か者だと思い知ったであろう。
   そして”戦国最強の軍師”は黒田官兵衛だという事もな。」
すると勘助は、震える手に持っていた盃の酒を一揆に飲み干してこう答えた。
勘助「ああ、ワシもまだまだ修行が足りないのう。」
雪斎「だが今回の事、いい経験になっただろう。
   お屋形様から引っ叩かれた痛み、決して忘れるでないぞ。」
勘助「ああ、もう同じ失敗は二度としない。」
すると雪斎は、勘助の盃に酒をついでこう言った。
雪斎「そうじゃ。もっと大きくなれ、勘助。」
勘助「ああ、今度は必ず戦にも勝負にも勝つ。」
すると雪斎は、ある事を聞いた。
雪斎「ところで勘助、いよいよ上杉謙信との4度目の【川中島の合戦】だな。
    いかにして勝つつもりだ?」
勘助「”キツツキの戦法”を使う。
   キツツキのように虫を別の場所に誘い込んで敵を一網打尽にする。」
雪斎「それはよい手だ。」
だが勘助は、夢にも思っていなかった。
その目の前にいる雪斎が上杉謙信の間者だという事に。

それから数週間後、4度目の【川中島の合戦】で敵に”キツツキの戦法”が
ばれて上杉謙信に逆に手薄の本陣を攻め込まれた。
勘助「な、何で敵に策がばれたのだ?」
その上杉軍には、あの雪斎が横についており、謙信がその者にこう言って褒めた。
謙信「さすがだ、”真田昌幸”。
   武田信玄の手をよく読んだ。」
そう、勘助と一緒に飲んでいた者は父親の雪斎ではなかったのだ。
彼の名は、真田昌幸。
そして昌幸は、何と雪斎の双子の弟、つまり勘助の叔父である。
昌幸「はっ、お褒めに預かり光栄です。」
すると謙信は、兵たちにこぶした。
謙信「よいか〜!この戦で信玄の首を獲るのだ!」
上杉軍兵「おお〜!」
この戦で本陣を守るために出陣した勘助は行方知れずとなった。

〜続く〜

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